ロゴマーク作成する前に注意!4色印刷とは?
最近ではプロではなくても、IllustratorやPhotoshopを使う人が増えてきています。その為、ロゴマークを作成する際に自ら作成したり、クラウドソーシングサイトなどで安価で依頼する場合も多くなっています。
ロゴマークは作成後に様々なところで利用する可能性が出てくる為、後々悔やむことのないように慎重に作成したいものです。そのポイントとも言えるカラーの指定や4色印刷のことについて解説します。
ロゴマークを作成することになったら、考えることとは?
まずはじめに、「ロゴマーク」というのは、誰が見ても覚えやすいデザインであることが大切です。その為、見るたびにイメージが変わってしまうようでは、ロゴマークとしては失格と言えます。とくに同じデザインでも色味が違うと、まったく印象が変わってしまう場合があるので、カラーの選択には注意が必要と言えるでしょう。
ロゴマークを作成することになったら、まずどのようなところに使用する可能性があるのか、あらかじめ想定して作成することをおすすめします。それは、用途によって色の再現に差が出てくることが理由で、例えばコンピューターやテレビなどのディスプレイ上で使用する場合と、フライヤーや名刺など、紙媒体に印刷をする場合では、色を表現する仕組みが変わってくるからなのです。
ディスプレイ上では通常RGBで様々な色が再現されますが、紙などに印刷する場合は主にCMYKで再現することになります。また、紙に印刷する場合でも、CMYKでは表現できない色や発色を求める場合には、特色印刷をする必要があります。
こういった再現方法を考えたうえで作成しておくと、後で困る可能性を最小限に抑えることができます。
ディスプレイ上で再現する場合のRGBとは?
ディスプレイ上でのみ再現する場合は、通常RGBが使用されています。RGBとは、Red=赤、Green=緑、Blue=青のそれぞれの頭文字から取られていて、RGBで再現される色はすべてこの3色が元になっています。
これは「光の三原色」とも言われていて、色が混ざるほど明るい色になる加法混色。すべての色を混ぜると白になるという特徴があります。発色や色の種類が豊富で、テレビやコンピューターのディスプレイで言われる「フルカラー」とは、1677万7216色もの色が再現できることを示しています。
けれども、ディスプレイ上ではこれだけ多くの色が再現できても、通常一般的な印刷物に使われている「4色印刷」で同じように再現することは難しいと言えます。RGBで作成したものを紙などに印刷した場合、色がくすんでしまったり、思った色に再現することはできないのです。
これではせっかく作ったロゴマークも印象が変わってしまう恐れがあります。
紙媒体に印刷する場合のCMYKとは?
では紙媒体に印刷する場合に使用するCMYKとは何なのでしょうか?これもRGBと同じく、Cyan=シアン、Magenta=マゼンタ、Yellow=イエローの頭文字を取っており、最後のKは、Key plateの頭文字となっています。
Key plateとは、輪郭などの細部を表す為に用いられた印刷板のことで、通常黒インクで印刷されます。このCMYKでは、シアン、マゼンタ、イエローが「色の三原色」と言われており、減法混色という理論上では、この3色を混ぜることで黒になるはずなのです。
けれども実際には茶色っぽい色になってしまうので、それを補う為にキープレート(黒)が用意されているのです。ロゴマークを作成する場合は、大抵は紙媒体に印刷することが想定されます。その為、Illustratorや Photoshopでロゴマークを作成する場合は、最初からCMYKで作成するほうが、印刷した時との色の差が比較的生じにくいと言えるでしょう。
特色印刷とは?
特色印刷では、CMYKで再現できない色、例えばゴールドやシルバーなども再現することが可能です。これは通常の4色印刷のように、複数の決まった色を混ぜ合わせて再現するわけではなく、その都度、指定の色のインク自体を作ることになります。
その為、DICカラーガイドという色見本で特定の色を指定することになりますが、日本全国のデザイン事務所などが利用しているので、どこへ行っても共通して色の認識をすることが可能です。また色の数が多いだけではなく、発色も良く、クオリティの高い印刷に利用される傾向がある為、通常の4色印刷に較べると少々高価となります。
ロゴマークをこの特色印刷でしか再現できない色にしてしまうと、コスト面からも後にロゴマークを広い範囲で使用することが難しくなってしまいます。そしてネット印刷などではこういった特色印刷は扱わないというところが多いので、ネット印刷の利用を考えている場合も、そういった点を頭に入れておく必要があります。
ロゴマークの作成を依頼する場合に気を付けること
ロゴマークの作成をプロのデザイナーに依頼した場合、ほとんどは「ロゴマニュアル」も作成されています。とくに大企業や、イメージが重要な企業では必ずといっても良いほど、「ロゴマニュアル」が作成されています。この中には通常、ロゴマークのカラーに関することも含まれており、色指定がされています。
4色印刷はプロセスカラーとも言われ、その色見本であるカラーチャートで指定します。チャートでは10%刻みで実際に印刷された色を確認することが可能。これを指定しておくことで、色味のズレを最小限に抑えることができます。
プロに依頼した場合でも「ロゴマニュアル」が作成されていない場合は、申し出ることをおすすめします。プロのデザイナーなら、そういった知識は持っているはずなので、作成してもらえるはずです。この「ロゴマニュアル」が作成されていないと、後に紙媒体に印刷してみたら、まったく違うカラーになってしまったということになる可能性があります。
その為、ロゴマークをIllustratorやPhotoshopで自作した場合でも、カラーチャートでしっかり色を決めておくことは大切です。クラウドソーシングサイトなどでロゴマークの作成を依頼した場合、プロのデザイナーに依頼するより安価かもしれません。
けれども、「ロゴマニュアル」や、色指定の知識を持っていないことが考えられることと、ロゴマークの作成には「ロゴマニュアル」の作成費用が含まれていないことも多いでしょう。そういったことも十分考えたうえで、クラウドソーシングサイトで依頼するかどうか考えましょう。
ロゴマークの作成は、再現する時のことを考える
IllustratorやPhotoshopで自作したロゴマークを幅広く利用するには、4色印刷の利用ができるCMYKで作成しておくことが基本となります。
また、プロやクラウドソーシングサイトで依頼する場合も含めて、実際のロゴマークの色は4色印刷のカラーチャートで指定しておくほうが無難です。一定のイメージを与えることが重要なロゴマークの作成は、再現する時のことを考えて作成することで、失敗を防ぐことができます。